豊かな自然を望む漁師町で始まった新たな挑戦
ハマチの養殖業で栄えた瀬戸内の小さな港町・東かがわ市引田(ひけた)。
内陸部にはのどかな田園風景が広がり、住む人はみな穏やかです。
CAVIC JAPAN社長・板坂直樹は、この町で生まれ育ちました。
「なおちゃん! 地元で新しいことをはじめるんやって? 頑張ってや!」
ふらっと外を歩けば子どもの頃から見知った顔のおばちゃんたちが声をかけてくれる。みんなが応援してくれました。社長・板坂にとっての原風景と呼べる場所がここ、引田の町並みでした。
卒業から30年余り。母校の中学校が統廃合でなくなってしまうと聞き、私たちはそれを残し、活かすための事業を始める決意を固めたのです。ただ、チョウザメの養殖に関しては全くの素人でした。
キャビアを食べたことすら数えるほどしかなかったのです。
ですが、この町は世界で初めてハマチの養殖に成功したことで知られる漁業の町であり、町で働く人々は皆、お兄ちゃんのように身近な存在でした。海水・淡水の違いはありますが、養殖業の本質は同じ。それらすべてを彼らから教わりました。みんな惜しげもなくノウハウを教えてくれました。
原風景、漁師の町、人の温かさ、それら点と点が線で繋がり、「チョウザメ」「キャビア」という新しい事業はスタートしました。
天井と床をくり抜いた体育館に養殖用の水槽が9機。6本の井戸を掘り、地下水を汲み上げ、「理科室」で研究・開発。「図書室」で会議を重ね、「家庭科室」で加工しています。奇抜なアイデアにも思えますが、すべてが理にかなっている。元々あった学校施設をなるべくそのままの形で利用したいというのは私たちのこだわりでした。
しかし、キャビアは生ものです。金属のスプーンですくって口に入れるまでの2秒で味が変化すると言われるほど。その繊細な味わいを保持するため、もっとも重視したのは衛生面でした。そこで加工場である元家庭科室は、アメリカとヨーロッパ両方のHACPP認証を取得。チョウザメ飼育も独自のエサの開発や水流による運動量の調整など、細部にまでこだわり抜きました。
現在、市場に出回っている輸入キャビアの多くは、採卵後に加熱処理され、劣化を防ぐために塩分濃度の高い状態で缶詰めされています。CAVIC JAPANのキャビアは生キャビアでありながら、無添加、塩分濃度3%未満という、最先端の技術と職人の努力が集結した自慢の逸品です。これまでの「塩辛い」「固い」というイメージをくつがえす、まろやかでとろけるような味わいで、有名レストランやホテルからの引き合いも多く、たくさんのお客さまから高い評価をいただいております。
私たちが自信を持ってお届けする、キャビアの魅力、ピュアキャビアの美味しさを、これからも一人でも多くのお客さまに知っていただきたいと思っております。また「地域に貢献したい」という、事業スタート当初の思いを忘れることなく、「キャビアは、もっとおいしくできる。」という熱意を胸に、これからも美味しいキャビア作りを続け、引田から世界に瀬戸内キャビアの魅力を発信して行きます。